【完】君しかいらない
制服を脱いでると、脱衣所のドアの外から愛梨ちゃんたちの声が聞こえてくる。


「愛梨!?そんなボロボロの服持って行くの?恥ずかしいからやめなさい!ほら、こっちの方がまだマシだから」


「えーっ、それありえないから!!いくらなんでも奏太くんに失礼だよ」


「穴が開いてる方が失礼でしょ!?」


…別に、何でもいいっス。


二人のやり取りが、家の中でやたらと響いてる。






愛梨ちゃんの家はウチと対になってる造りのようで、真逆の位置にレイアウトされてるっぽかった。


バスマットやタオルハンガーにかけてあるタオルは違うものの、風邪ひいてボーッとしてるせいか、一瞬、自分の家で人の声がしてるような錯覚に陥る。


…懐かしいな。


もうとっくに忘れかけてたけど…


ウチも、こんな風に賑やかな時もあったよな…。





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