【完】君しかいらない
「そういえばさ~、昨日安元くんが女の子と一緒に帰ってるとこ見た」


え。


一瞬グループの空気が凍りつく。


言った本人も、しまったと思ったみたいで、春奈を見て大慌て。


そしたら春奈がケラケラと笑いだした。


「もう、ヤだなぁ~。陽斗が誰と付き合おうと、あたしにはもう関係ないことだし。気遣わないで?」


「ごっ、ごめん。みんなで安元くんの話題には触れないようにって話してたのに、忘れてた…」


「いいの、いいの。陽斗だって彼女作った方がいいよ。あたしも早く彼氏欲しいな~」


春奈、ホントに?


ホントにそう思ってる?


あたしは何も話すことができず、みんなの話をただ聞いていた。


「春奈はしっかりした人が好きだもんね~。やっぱまた年上?」


「うーん、わかんない」


「年上って言っても、春奈の元カレってかなり年上だったよね。ウチのお姉ちゃんの友達に、合コン設定してもらえるか聞いてみようか?」


「アハハ、合コンとか興味ない~」


春奈も他の子も笑ってるけど、友達の言ってた言葉が気になった。




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