【完】君しかいらない
俺はつい理屈っぽくなるから、


こういうのを見て、素直に喜べないし、なんの感動もない…。


自分でも思うけど、つまんねーヤツ。


こんな俺と一緒にいて、司はホントに楽しいのか……。






「こぼれてる…」


花火に見とれてる司を見ると、手に持ってるカキ氷のカップの淵から、温度差でできた水滴がポタポタと垂れていた。


しかも、手に提げてるカバンの中に…。


「キャッ、あたしってバカ…ああっ、塾のテキストが…」


今日もらったばっかりのプリントと、塾のテキストは、水滴でフニャフニャになっている。


…鈍くさいヤツ。


「ブッ…」




< 924 / 1,444 >

この作品をシェア

pagetop