【完】君しかいらない
「たっだいまー!愛梨、愛梨ぃ~!見て見て。アイスに当たりが出た!」


お兄ちゃんが、そんなことを叫びながら帰ってきた。



「…あたし、いらない」



さすがのあたしも、今はアイスのことなんて、どうでもいい。


ただ、あっくんに振られた日よりも、今日の方がこたえた。


自分から相手を突き放すのって…


すごくエネルギーがいる。







「なんで!?」


「ん…と。まだ気分悪い…」


あたしは布団にもぐりこみ、頭から布団をかぶった。


「そ…か。じゃあ、食べたい物が浮かんだら、すぐに言えな?

あっ、喋るのがしんどいなら、メールでいいからな?」


「うん…ありがと…」




< 996 / 1,444 >

この作品をシェア

pagetop