恋する刑事(デカ)~君のハートに狙いをつけて~
紫苑と私はソファーの上に置かれたモノを適当に退けて座り込む。


ソファーの後ろのダンボールの山が今にも崩れそうなのが気に掛かる。



「少しは片付けろ…」


「これでも片付けている…」



栗原さんは紫苑の言葉に真っ向から反論した。


紫苑は何か言いたそうな顔をしながらも、言い合うのは面倒だから避けた。
「…片付けはいいのか?じゃあ~本題に入る」



「そうしてくれ・・・」



「…ある男が通勤途中に…混雑した電車内において、近くに立っていた女子高生に痴漢をしたと叫ばれて、駅員に引き渡された。女子高生は母親を呼んだ。母親と男は話し合い、慰謝料を払うと言うコトで示談。男は警察に突き出されずには済んだが…その親子の金銭の要求は一度ではすまなかった。弁護士を立て裁判を起こすと言い、男を強請り始めた」







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