恋する刑事(デカ)~君のハートに狙いをつけて~
私はその不埒な手を掴んだ!!


振り返ると見知らぬバーコード頭のオジサンが血相を変えて私を見ていた。



「私は刑事だ!!痴漢の現行犯で逮捕する!」


隠し持っていた手錠を手にした。



次駅で降車して、犯人を駅員に引き渡した。



「心愛…神田明美にバレちゃいましたよ!君が刑事だってコト…」


「・・・そう言えば彼女も同じ車両に乗っていたんだった」



私は肩を落として、ベンチに座り込んだ。


「…どうしよう?」


「どうしようもないでしょ…」



「・・・」


痴漢なんかに遭遇するから…私は思わぬ失態を犯してしまった。





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