声にならない言葉
『はぁ~い☆美羽ちゃんは優しいから大好き☆』

『ハイ、はい。わかったから、あなたはこっちで飲むの!』
美羽の友達の梨恵が助けてくれた。

『あいつ、かなり飲んでんな!気をつけろよ!』
謙二が言った。


異様なハイテンションな田中が
『次、行くよ~☆ねっ美羽ちゃん☆』

また、美羽に絡んでくる。
『もぅ、他にも二人女がいるでしょっ!美羽は彼氏がいるからダメなの!さっ、次行くよぉ』

そう言って、梨恵が目で…
(早く、行きな!)
美羽に合図してくれた。

謙二も田中の腕を掴んで次の店へ向かった。


一人取り残された美羽は何だか複雑な気持ちだった。
寂しくアパートに向かう途中、前に謙二と一緒に休んだ公園に足を止め、一人、星空を見上げながら酔いを醒ました。


後ろから人の気配…
『危ないだろ!こんなところに一人で!』
息を切らしながら、謙二が声をかけ、美羽を後ろから抱きしめた。

美羽はホッとして

『ごめんなさい…』


謙二の優しさが本当に嬉しかった。
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