【d.p】
苦痛を取り除いたモノの正体
彼女の部屋へ、全身黒づくめの男が1人、入った。

床に倒れている彼女の姿を見ても、動揺しない。

その口元に笑みを浮かべ、萎んだ花を掴んだ。

すると残った茎の部分も、そして彼女の体や飛び散った血すら、サラサラと砂のように消え去った。

男が手を開くと、同じように花は砂となり消え去ったものの、小さな茶色の種が残った。

その種は彼女が最初に飲んだ薬と同じモノ―。

男は満足そうに頷き、その部屋を後にした。
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