死刑囚と犬
看守は困った顔をして
覗き窓を閉めると


どこかへ行ってしまった。


そしてまたしつこくあらわれる
カウンセラー。


「許可をもらってきました」


そう言って
カウンセラーはうなづく。


「さっき上と交渉してきました。


一日一回。


15分間。


手錠をはめて
警備の人間を付ける条件なら


犬を散歩させてよいとのことです」


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