死刑囚と犬
運動して疲れたのか
ララは丸まって


眠そうにしている。


男はベッドに座り
頭の中で


何度も何度も
散歩の感触を


思い出していた。


「ララ」


丸まっているララに言葉をかける男。



「人生でこんな清々しい持ちになったのは
2回目だよ。


一回目はララ…お前と散歩した時。



もう一回は…弘美と出会った時かな」
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