摩天楼Devil

やっぱ、デビル!?

部屋のドアを開けて、二人で玄関に入った直後、


「……何を笑ってる?」


これまた、不機嫌な声。


ついつい、緩んでしまってた口を直し、

「いえ、何でもありません」

と、答えたのに――


「ん……ふぅ……ッ!?」


彼は勢いよく、私を引き寄せると、その直したつもりの口を塞いだ。


当然、唇で。


ややあって、相手の舌が、こちらに来るのを感じた。


――ち、ちょっとストップ!


そういったキスは、あの脅しに使われた、初日のキスだけ。


普通の、触れ合うだけのキスもまだ慣れてないのに……


「んん!」


篤志さんの肩を押すのも空しく、彼は侵入してきた。


様々な箇所を、撫でまわされた。


かぁぁ、と身体が熱くなる。

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