摩天楼Devil
そこでも言われた。


「帰りなさい」


「叔母さんのところに行く。叔母さんがいいって言ったらいてもいいでしょ?」


叔父さんは返答に困った様子で黙って、頭を掻いた。


私は構わず、叔母さんのいる部屋を訪ねた。

篤志さんのことを説明すると、彼女は急いで薬を出し、お粥を作りはじめた。


薬を渡された時、自分も看病したい、と言った。


「……妃奈ちゃんにうつったらどうするの?」


「マスクする。うがいもするから」


「……必死ね。前に見かけた時は、かなり不満そうに、篤志君の言うこと聞いてたじゃない?」


「だって……」


体調悪いの、気付いたのに、ダウンしちゃうまで、何もできなかった……。


彼女はやや間を置いてから、


「体温計、持ってるか分からないから、これも届けて。熱計ってもらって」


お粥はできしだい、自分が届けるから、と。


「うん」


許可を貰えたと判断し、篤志さんのとこに戻った。


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