摩天楼Devil

promise

「調査済み、ってわけですか?」


「お前のことなら何でも……兄の婚約者の次は高校生。お遊びはいい加減にしろ」


篤志さんは私を抱いたまま、笑い出す。


「兄も、前の父も知ってるんでしょうね。ってことは、レイさんのことも」


嫉妬してる場合じゃないことは分かっているけど、ツキン、と胸が痛む。


「いやらしいとこは母親そっくりだな」


ビクッと、彼の身体が動いた。


一瞬、私も怯えるほど、怖い顔をしてた。


「金目当てにガキを生み、立場が悪くなると逃げおった。お前はな、売られたんだよ。

あの女が金に困っているのを知って、お前の代わりに大金をやったんだ」


――嘘…


驚いていると、唇を塞がれた。


噛みしめて、舌の侵入を拒むと、彼は諦めた。


でも、怒る相手は私ではなく、神崎社長だった。


「早く出ていっていただきたい。あなたがいると、彼女がキスもさせてくれない。それに……」


篤志は腰紐に手を置く。


「あなたに、他の男に、可愛い妃奈の肌を晒したくない」


「バカな男だ。また、売られるがいい」


意味深な言葉を残し、威圧感たっぷりの中年男性は出て行った。


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