モノクロ*メランコリック


いつも通り、りさと帰ろうとして、席を立つ。

クラスメイトへバイバイと挨拶しながら、彼女と教室を出ようとした、そのときだった。



「…おい、姫宮」


迫力のある声が、背後で聞こえた。

私はビクリとして、振り返る。

案の定、そこにいたのは竜崎くん。

何故だか恐ろしげな顔をして、そのデカい図体で背後に立っていた。


クラスメイト達が、一斉に固まる。

もちろん私も、りさも。


「りゅ…竜崎くん…?えっと…何?」


もう彼からの接触はないだろうと思っていたから、驚いた。

どうしたのかしら。昨日のことで、まだ何かあるのかしら。

別にいいけれど、この場で話すのだけはやめてほしい。


竜崎くんはズォォンという重苦しい効果音でもつきそうな顔をして、私を見下ろした。


「……少し、ツラ貸せ」


ぎゃあああ!

これ、あれだわ!怖いやつ!怖いやつ!

校舎裏に連れ込まれて、リンチとかカツアゲにされちゃうやつでしょ!?



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