モノクロ*メランコリック


「……職員室で、古城先生が呼んでたよ。すぐに、来いって」


シロは私の言葉を聞くとすぐに、柳田さんに「ごめん」と言って、職員室のほうへ走って行った。


……ごめん、シロ。

………ごめんなさい、柳田さん。


廊下に、沈黙が降りる。


唇を噛んでシロの去って行ったほうを見ていると、こちらをじっと見ている柳田さんが視界に映った。

私がそちらに視線を移すと、彼女はびくっと怯えたように肩を揺らす。

その反応に驚いていると、柳田さんは迷うように視線を下へ這わせて。

そしてぱっと上を向くと、しっかり私を見つめて、言った。



「…あ、あたし、諦めませんから!進藤くんのこと………!」



……え?

驚いて目を見開く。

それだけ言うと柳田さんは、こちらへ背を向けて駆け出した。

彼女の姿が見えなくなるまで、私はぽかんと口を開けていた。


…なに、今の。

え?


「……一昨日くらいにファンの子達が、柳田さんを呼び出したらしいわ。校舎裏に」


驚いて固まっている私に、りさが静かに、さっきの『今回はそうはいかない』理由を話し始めた。


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