Sweet moment.
まだ少し頭が揺れている感覚に襲われながらも、急いでドレスから私服に着替え、少し崩れた化粧を直す。
今から会える。
そう考えるだけで幸せの溜め息が出て、顔が綻ぶ。
念入りな化粧直しを終えた後すぐ、裏口のドアを開けいつもよりもゆっくり階段を降りた。
辺りを見渡すも誠也の姿は無い。
「…いない。」
電話をしようと、着信履歴から誠也の名前を探し発信ボタンを押す。
虚しく耳元で鳴り響く呼出音に、冷たい風がさらに冷たく感じられた。
もしかして、誠也も酔った勢いで電話しちゃっただけなのかな?