甘くて切なくて、愛おしくて



数カ月前、我が社で結構大きなプロジェクトに関するプレゼンの募集があって。
うちの課でも、という課長にみんなが一丸となって取り掛かった。
だけど結果は営業三部第1課の企画が選ばれたんだけれども。




「それが上がもう一度練り直して提出しろって。どうやら予算を修正した状態なら通るかも..っていう事らしいよ」

「へ~」


「まぁ予算以外にも直す所は多いけどね~でもそれで通るっていうんだから、ほら課長みてみなよ」



くいっと顎で差された先を見ると、確かに課長がウキウキしながら
パソコン開いてる。



「確かに。今回の企画はうちの課にとっては大きいもんね~」


「そうそう。これで成功したら出世するかもだしね」


「なるほど」



それでさっき謝罪に行ってもご機嫌で許してくれたわけだ。



「ま、あんたも気合い入れてやりなよ?
これからは昨日みたいに早退なんてさせてもらえないんだからね」


「了解」


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