八重歯のあの子
第一章
「じゃあ、お母さん行って来るから」

晴れて高校生になり、最初の休日。

母は、この日も仕事に出かけた。

私は、今日もまた何をするのだろうか。

とりあえず、顔を洗ってご飯を食べる。

そして寝起きの栗色のロングストレートをポニーテールにし、

そのあと、適当な服をクローゼットの中から引っ張り出した。

その服を着て、隣の部屋へだるそうにトボトボと歩く。

ノックもしないで、その部屋へ入った。

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