お前限定★LOVE
「ほ、ほんとに大丈夫…ですか?」
渚が俯いた俺に近づいてくる音。小さな身体を屈ませて顔を除きこんだ時に匂うシャンプーの香り。
涙が出そう。苦しくて泣きそう。胸が、ぎゅーぎゅー痛い。
だってさ、俺はお前が好きでお前はアイツが好き。
どう考えても無理だろ?どう考えたって…。
「やっぱ大丈夫、じゃない…」
掠れた声で呟いて渚に抱きつく。ぎゅっと強く、痛がるほどに。
俺に勝ち目も可能性もない。1%もない。