この場所で。

環境は。






「…………俺のこと、目に留まらなかったでしょ。

雅人と一緒にいても、いつも……」



なんだか、悲しくなった。



髪いじって、制服着崩して、見た目を変えてみても寄ってくるのはどうでもいい女の子ばかり。


どんなに莉緒の近くにいたって、結局は雅人しか見えていないみたいで、

そのイライラやもどかしさが募って、あんなことをしてしまった。



知らないなら知らないでいいや。



嫌われたって、別にいい。


今、こういうことをしてるのは俺。

莉緒の頭の中は俺で一杯だ………って、


その時はそれでよかった……。





けど、






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