Quiet man
ほんまに・・最近のガキはっ。



「そう云えば・・、あと

手品師の人だけ来てないな。」


「ぎゃーーーーーー、んぐっ!」


「デカイ声やなぁ・・。」

「どうしたん??」


「ご、ゴメンなさい。蜘蛛!

蜘蛛がおるっ。」




紅白の垂れ幕の向こうから

さっきの女子大生らの声。

皆、テンション上がってるなー。



「去年使った垂れ幕の中から

出て来た蜘蛛やったりして。」


「コワ!」



ま、だーんだん、

賑やかになってヨシ・・!



「あ・・! こっちOKでーす!」

「良かった、今来はったんや。」




役者はこれで皆揃った。


ちょっとホッとして、

パイプイスを並べ始めてた。



地元の自治会から来た歌手が

櫓の上で景気よく歌い始める。

盆踊りで踊る人も居れば

金魚すくいをする人達もいる。


途中から年老いたヘルパーさん

や、レントゲン技師の若い人も

参入して来て・・


子供達も楽しそうだった。

アクマでも、進行は

彼の努力空しく

プログラム上でのもの。


だから用意したパイプイスに

座って腹話術師を見ようが、

パントマイムを見ようが自由。


ただ、イスがあるのは此処だけ。

年寄りや、遊びに飽きた子らの

休憩場所にもなっていたのだ。



「一緒に食べへん?」



と、院長の息子が焼きソバを

持って隣に座った。

こう云う時には欠かせへん

食べ物で、昔は大好きやったのに。



「あ・・ゴメン。遠慮しとく。

ちょっと夏バテ気味かな・・。」




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