Quiet man
土足な男。
「今のゴディも渋くてイイ。」

「FREE COOL、

再結成とかしないのかな?」



は・・・・・?  

FREE COOLって?


そう思った瞬間、

照明がフッと落とされた。



絶妙なタイミングで

ステージに立っていた彼。


派手だったり、

特に変わった舞台演出もなく。


ただ、

ギターをかき鳴らした次の瞬間。

マイクに叩き付ける様な

その歌声に鳥肌が立つ。



( この声・・・!! )



脳天を揺るがす様なこの歌声に

あたしは聞き覚えがあった。


普段の声になく、

荒い、ギザギザした感じ。

かと云って

激し過ぎるって訳じゃない。


あの頃とは少し違う、沁みる、

ブルージーなロック・・。

それはレゲエ調だったり、

カントリーぽかったり。



MCが

三曲終わった後でやっと入った。

フ、と笑い、いつもの調子で。



「・・ようこそ、こんばんわ。

この夜が、

最高のものになります様に。」



・・彼にしては長ゼリフだ。




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