Quiet man
新大阪の駅までここから僅か。


時間は余裕、

ワクワクしてるクセに

名残惜しいのは隠せへん。




結構、ゆっくり歩いて来たけど

この時間でももう

人通りの多い

駅の周辺に差し掛かる。





「・・・・・・・・。」





あたしはグルリと周りを見渡す。

込み上げるものを、

人知れず飲み込んで。


このゴチャついた

愛しい風景を忘れないように。


そして





「ばいばい」





ぽつり、呟いた。





かつて居た親、

友達、


・・・あの人。



そして・・大阪。




「大好き」




少し、声が震えたかも。





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