王子の魂 ―ワタシの想い―
―私の部屋―
「現実逃避」だって
「しょせん二次元」だって

そう言われるかも知れない。

でも、幼い頃から家庭の問題で悩まされてきた私にとって

例え会えなくても
遠くても

リュウは

唯一の心の支えで
無くてはならない
かけがえの無い存在なのです――――――――。




放課後、私は飛ぶように家へ帰った。
いつもなら雅紀の部活が終わるのを待っているのだが、今日はそれどころではない。

家に着くと、まず私は部屋のテレビとパソコンのスイッチを押した。
リュウの情報を集めるためだ。
テレビでは政治のニュースなどがやっていて、どこの局でもリュウのニュースはやっていなかった。

私は部屋の壁にたくさん飾ってあるリュウのポスターの中で一番大きなポスターの前に立った。

リュウの大きな瞳が私を見つめる。

目の前にあるポスターのリュウは明るく笑ってて・・・
何が起きたのかまだ分からない・・・。
これからもう一生リュウの姿を見れないの・・・?
ライブでも、テレビでも・・・?

私は頭の中が混乱した。
まるで誰かに脳みそをかき混ぜられているかのようだった。

意識不明ってどんな状態なのかはよく分からない・・・
でも、リュウが危ない、死んじゃうかもって言うことはなんとなく悟っていた。
リュウ・・・、死なないで・・・!
目を覚まして!!

いくら心の中で叫んでも、私はただのファンで、幼い女子高生で・・・
リュウをどうしてあげることもできない・・・。

私はそんな自分の無力さに、意味も無く腹を立てた。

そのとき

背後ですごい聞き覚えのある声がした。
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