無口男子と真面目女子の秘密!?

お父様


ピリリリリっ

と、ふいに電話が鳴り出した。
この電話は、元々寮についているもので、寮内での連絡等に使うもの。

基本、電話代は無料。
そのせいか、寮内の人はほぼ、この電話を使い会話をしている。

つまり、どこに掛けても無料なのだ。

お金がない高校生活では、欠かせない。

でも、未だにこの部屋の電話がなったのは見たことも聞いたことも無い。

それが鳴っている。

初めての電話に少し緊張しながら出る。

「…もしもし?」

少し声が上擦ってしまったが、気にしない。

「あ、もしもしぃ~?
私、神崎ですがぁ、胡桃澤さんのお部屋で合っていますでしょうかぁ~?」

この声は聞き覚えがある。

「はい、そうですが」

と、答えながら記憶を掘り返してみる。

この特徴的な話し方は、いつも寮の庭を掃除してくれている女性だ。

見た目的にはとても幼く、舌足らずな口調だが、既に20歳を越えた女性。
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