もしもわたしが許されるのならば
第8話
「お久しぶりです」

そう言った調君に、お父さんはしばらく何の反応もできなかった。

「入学式には行かなかったからな。6年ぶりか?」

「そうですね、引っ越してからは会ってませんし」

「そうか……」

遠い目をして、お父さんは言った。

「ところで、今日はどんな用事だ?まあ、予想はできるが」

「はい。結惟と付き合うことになったので、そのご挨拶に」

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