キオクノカケラ
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ふと目が覚めると、辺りはもう明るかった。

上体を起こして、

カーテンの隙間から漏れる、太陽の光に目を細める。

すると突然、コンコン、とドアを叩く音が聞こえた。


「?どうぞ……?」


ぎこちなくそう答えれば、ゆっくりとドアが開いた。

そして現れたのは、優しく微笑んだ結城くん。


「おはよう、詩織。よく眠れたかい?」


「お、おはよう。うん、結構…寝られた」


朝から見せられた、艶めいた顔にドキドキしつつ。

私も軽く微笑み返すと、そっか。と言ってまた微笑み返された。


朝からその笑顔は心臓に悪い………。


そう心の中で呟くと、目を逸らして俯く。


「ねえ詩織?今日学校あるんだけど………行くかい?」


いきなり耳元で囁かれたのと、

“学校”という言葉に思わず体が跳ねた。


恐る恐る横を向けば、視界いっぱいに広がる整った顔立ち。


「っっっ!!!」


きっと今の私は、蒸気がでるんじゃないかってくらい真っ赤だろう。

それについ両手で頬を挟むように押さえると、

それを見た結城くんが悪戯っぽく笑っていた。

そして私から顔を離す。


「くすくす…ごめんごめん。驚かせるつもりはなかったんだけどね?」


「で、行くかい?」


「………行く」


そう答えると、彼は少し不安気な表情になって。

そっと私の頬に触れた。


「無理を、しなくてもいいんだよ?」


その言葉に私は静かに首を振って、

彼の手に自分の手を重ねる。


「私は、自分のことが知りたいの。
前にも言ったでしょ?」


「無理なんてしてないよ」


小さく微笑むと、彼は逃げるように顔を附せた。

そしてぽつりと、呟くように。

けどはっきりと言った。


「もしかしたら…お前の思っているような、学校生活じゃ………――」
「それはないよ」


結城くんが言い終わる前に、自分の言葉を重ねる。


私の言葉に彼は顔を上げて、息を呑んだ。

けどそんなことにはお構い無しに私は続ける。


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