“俺の女”




「あかり…!!」



勢いよく入ったせいで
注目を浴びていたから
礼はすぐあたしに気付いた


気まずそうな顔‥


なんで?



「まだ‥帰れない?」



その場から話しかける


横の男は礼の知り合いだよね‥?


先に帰ろっかな



「いや‥あのさ」


「もしかして‥これがあかり?」



へ…‥?!



その男はあたしを見て
名前を呼んだ


なんで知ってんの?


まぁ同じ学校だし
名前くらい知ってても
変じゃないけど


なんで呼び捨て?!


"これ"って‥


あたしはモノか!!



「あかり‥ちょっと!!」


「え?!」



突然、礼が近づき
腕を引っ張り移動する



「あぁ‥疲れた」


「どうしたの?
誰、あれ」



人影の少ない一角に
移動したあたし達は
ヒソヒソ話し始めた



疲れたって、なんで?



「川島がさぁ
あかりのことで
ずっと、あたしに付きまとって
きてるの!!」


「川島って、あの男?
あたしのこと‥?」



意味が分からない


川島って自体
初めて聞いたし
初めて見た


んでもって
あたしのことで
付きまとわれてる礼



「一年だよ。
‥ほんと何考えてんだか。
ねぇ?」


「…?」


礼は当たり前のように
話を進め
疑問をぶつけるが
さっぱり内容が分からない
あたしは頭を傾ける





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