恋愛アンチテーゼ
第1章

1話







───恋愛って、そんなに楽しいモンかな?










時は世界史の授業中。
国の説明をしている先生を横目に、休み時間中に友達と話していた内容を思い出す。






”彼氏が出来たんだ”




そう報告した彼女、佐伯梨子(サエキ リコ)の表情は嬉しそうにはにかんでいた。
そこから発展した恋愛話に、友達たちははしゃぎながら参加する。


梨子は出来たばっかりの彼氏、孝太との出来事について語る。
その話も終盤に差し掛かった頃、梨子が話を聞いていた友達の一人、由架に話を振った。




そして由架、──綾瀬由架(アヤセ ユカ)は好きな人がいると暴露したのだ。








え、私?
私には好きな人なんて居ない。
そもそも男の子は苦手だし、あんまり関わりがないんだよね。

自分では普通に普通な女子高生だと思っているけれど、梨子に言わせると普通じゃないらしい。
どこが普通じゃないのか教えてほしいところだ。





・・・話が脱線してしまったので元に戻すと・・
その由架の好きな人、というのが 私の前の席に座っている男の子、



彼こそが竹井春斗(タケイ ハルト)だ。








(由架の好みって、こーいう子だったのか・・・)







竹井クンとは1年生の時も同じクラスだった割には、挨拶程度にしか会話を交わしたことがない。
(男子にしては)顔が可愛らしく(男子にしては)背の小さい子だった。
そのせいか、女子たちからはよくからかわれている。


改めて、さっきのことを思い出す。
『そ、それでなんだけど・・さお、お願い!竹井くんに好きな人いないかとか好みのタイプは~とか聞いてきてほしいんだっ』


と頼まれてしまった。



『はぁ、なんであたしが!?』と言えばよかったものを。
私は自分の性格を今更ながらに少し反省した。







”頼まれたら断らない、姉御肌”。







周りからはこう思われてるに違いない。
本当のところは

”頼まれたら断れない、チキン”。というところだ。









(あー・・男の子って苦手なのに、なんでこうなっちゃうかな~)









───男の子は、苦手だ。
何を考えているのか、私には理解出来ないから・・・
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