私の空・僕の先生
嫌がらせ
 目が覚めると、窓から明るい日差しが射していた。

・・・私、そのまま寝ちゃってたんだ。

時計を見ると、もう学校に行かないといけない時間になっていた。

「ヤバッ!!」

私は急いで身支度すると、学校に向かった。

学校が見えてくると、だんだん気が重くなる。

アッ君や空に会いたくないな…歩く足が止まった。

その時だった。

私は勢いよく肩を叩かれて、振り向いた。

空とミヤコだった。

「ミキティー、おはよう。・・・どうしたの?なんか元気ないみたいだけど。・・・あ、彼氏とケンカでもしたの?」

その言葉に、私の顔がみるみる青くなる。

空は黙ったまま、私を見つめている。

「ミキティー、顔色悪いよ。ホントにケンカしたの?」

ミヤコが心配そうに、きいてきた。

「ま、まさか。ラブラブに決まってるじゃない!」

ミヤコはホッとしていたが、空は浮かない顔をしている。

ミヤコが空に、聞いた。

「空、大丈夫?」

「エッ、あ、大丈夫、元気、元気」

「ふーん・・・ま、いっか。いこ!じゃあ、ミキティー後でね」

ミヤコは、空の腕に、自分の腕を絡めて歩き出した。

「離せよ!気持ち悪い」

空の言葉にミヤコは少しムッとして、口をとがらせた。

「いいじゃん、べつに!」

私は二人の後姿をぼんやり見ていた。

…空には、私なんかより、ミヤコと恋愛する方が、イイに決まってる。

・・・そんなことを思いながら…

5時間目、私は授業がなかったから、久しぶりに屋上に来ていた。

ベンチに座ると同時に、ドアが開く音がした。

「・・・空」

空は黙ったまま、私の横に座った。

少しの沈黙。私は気まずくて、立ち上がり空を見た。

「授業サボっちゃダメだよ。教室、戻らないと…」

行こうとする私の腕を空は掴んだ。

「は、放して!!」

私は必死に放そうとしたけど、空は相変わらず黙ったまま、力任せに私を押し倒した。

・・・空の目が潤んでいる。

私は空を見つめたまま、目が離せなかった。

・・・バタン!

勢いよくドアが開いた。

アッ君が、息を切らせながら、こちらに近づいてくる。

空の胸ぐらを掴んだアッ君は、力いっぱい顔を殴った。

「空、お前何やってるんだよ」

空は、切れた口を拭きながら言った。

「先生、力入れすぎ…オレさ、大島先生のことが好きなんだ」

「美樹は、俺の大事な人だ。空になんか、渡さない」

「わかってるよ。・・・前田先生からとったりなんかしないよ・・・大島先生、ビックリさせて、ゴメン」

空は私に微笑むと、屋上を出て行った。

私は複雑な気持ちのまま、泣き続けた。

アッ君は黙って、私の背中を撫で続けてくれた。

私は何とか泣き止んで、アッ君に連れられて、屋上を出た。

・・・私たちを睨む人影に気づかないまま…
































































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