恋想曲 ~永遠の恋人へ~
放課後、音楽室へ向かう長い廊下を歩きながら三人で他愛のないお喋り。

歩くたび古びた廊下の木の音が心地よく鳴り響く。

私たちの歩く足が、ゆっくりとリズムを打ってるみたいでおもしろい。


「信汰って、小学生の時からトロンボーン始めてたんでしょ?」


「まぁね。ジャズ好きの親が勝手に習わせて、初めはサックスだったんだよ。

けど、飾ってあったトロンボーンがかっこよく見えて‥
それから音楽が好きになったんだ」


私の質問に笑顔で答えた信汰。


信汰は、私でもわかるくらいトロンボーンが上手い。

嶌田部長の次っていうくらいに。

正直、サボリ癖のある二年生の斎藤先輩より上手だと思う。


「あっ、遅刻しちゃうよ!」

麻衣子が腕時計を見て、三人で走りだした。






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