君と俺の事情


「あいつに手を出すな。たとえ他人だとしても」

「遊我は知ってんでしょ?」


何を知ってるかって?
結未が集のこと好きだってこと。
1番最初に気づいたからなぁ。
ま、集は血が繋がってないから、付き合うこととかは、許されんだろうけど。
中学生と大学生。
間が空き過ぎ。

―カタッ


話していると、後ろで物音が。
振り返ってみると。


「集…!」


棒立ちしてる集がいた。
まさか…聞かれた…?


「お前何時から…」

「俺、他人だって。家族じゃないんだって、元々知ってたよ」

「ま、待ってよ!母さん達もあたし達も、今まで言わなかったじゃん!」


黙り込む集。
重たい空気が漂う。


「記憶が残ってるからさ!皆には、ちゃんと感謝してる。なんかあったら、俺が出てくよ」


俺は集を叩いた。


「変なこと言うな。お前は長瀬家の次男!わかったな」

「…う、うん…」

「集ちゃんは、あたしの弟だよ。これからずっと」

「…うん」

「ほら、飯食おうぜ」

「うん!」


ごちゃごちゃになっちまった過去は変えられねぇし。
ま、結未がブラコンでも、集がシスコンでも知らねぇ。
とりま、ドンマイだな!
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