俺様☆キング

不安な心

【慧side】

 及川に遊ばれていた音子を俺の手で救い出せた。ハラハラしていた気持ちはホッとした気分だ。

 泣きじゃくる音子を保健室で見守ってた。いつもなら怒鳴り散らしているはずだが…今は出来るはずない。心配で心配で早く俺のもとに来て欲しかったから。

 今まで俺は音子に「好きだ」と言ってきたが音子は「冗談」で片づける。
 でも音子は保健室で俺のキスを受け止めた。それがどんなに嬉しいことかと音子は知らねぇだろうな。俺はもう音子は俺の女になったんだと思っていた。

 -次の日の放課後-

「音子、帰んぞ」
「えっ…あ、うん」

 何だよ、この俺様がわざわざ教室まで迎えに来てやったのにその顔は。

「ねぇ…私電車あっちなんだけど…」
「あ? 今日お前俺ん家来い」
「はぁ? 何で!?」
「いいから来い」

 押しに押したら音子は渋々うなずいた。

 俺は中学はこっちにいた訳じゃない、だから両親は地元に残り俺だけこっちに来た、だから俺は一人暮らし。

 そこそこ綺麗にしてるつもりだしゴミ屋敷って程汚くはない…はず。

「お邪魔します」
「俺一人暮らしだから誰もいねぇよ」
「へぇ~。高校生から一人暮らしなんてすごいね!」
「別にすごくはねぇだろ。そこら辺座ってて」
「あ、うん」

 音子は少し緊張した感じだった。部屋をぐるっと見回してた。

「見回したって何もねぇよ」
「いや…男子の部屋って初めて入ったから」

 俺は音子の隣に座った。

「…音子」
「ん?」

 音子は俺の顔を覗き込む様に笑顔で俺の顔を見た。

 その笑顔に俺は胸がキューっと締め付けられた。
 堪らなくなって音子にキスをした。激しくて深いキスを何度も…。

「んんんっ…」
「可愛い…」
「いやっ…あ、んんん~…」

 苦しがる音子をゆっくり離した。

「ちょ、ちょっと…何すんのよ」
「何ってキス」
「何ですんのよ~」
「はぁ? 付き合ってんならキスぐらいするだろ」
「だ、だ、誰が付き合うって!?」
「俺とお前」
「はぁ? あ、有り得ない…ってかいつ私が付き合うって言った!?」
「あぁ? お前保健室で俺のキス受け止めただろ!?」

 俺はてっきりそれで音子が俺の事好きだと思っていたが…お前は違うのかよ!?

「あ、あれはねぇ…な、流れで…」
「はぁ? 流れ!?」
「そ、そうよ!! そういう訳だから…付き合ってないから!!」

 そう言って音子は立ち上がった。
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