恋愛の条件
「ここはヘルプデスクみたいなものらしいわ。一気に社員を海外転勤させるわけにいかないじゃない?」

「へ~沙希詳しいね」

「一昨日、経営企画部の飲み会に参加したからね」

相変わらずフットワークの軽い。その前は広報と飲みに行ったと言ってなかっただろうか?

そう尋ねると、奢るって言うし好意に甘えないと、とニヤリ微笑むその笑顔に皆だまされるのだろうと男性陣に同情する。

「クス、でもさぁ……」

「何?」

「海外開発に行くと海外支社としょっちゅう電話でやり取りしなきゃいけないでしょ?」

これこそが本当の本題だと云わんばかりに意地の悪い顔を見せる。

これは余りいい予感がしない。


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