恋愛の条件
アンケートのチェックボックスにちょんとチェック入れていくように、条件を出してはクリアしてくれるのを待っていた。

相手から貰う愛情ばかり期待していた。

そのくせ、自分は裕樹の想いに応えようとせず、一本線を引いていた。

そんな自分を理解してそして愛して欲しいと思った。

それでいて、深みに嵌りたくないから、やっぱり気づかずに愛して欲しい、という奈央の中の矛盾。

(そんな私に裕樹は気づいたのかなぁ?)

もう一歩前に踏み出せれば、違ったのかもしれない。

でも、その一歩が奈央にとってはすごく重い。

踏み間違えて怪我したら……

そう思うと、足が鉛のように動かなくなり、その場に止まってしまう。



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