恋愛の条件
「何?」

「返事は?」

「えっ?」

「返事まだ聞いてねぇ……」

下から見上げられているのになぜ見下ろされたような気分になるのだろうか。

「わ、私が断るなんて思ってなかったんでしょ?」

「それとは別だ。返事聞かせろよ?」

「じゃ、じゃあ、ちゃんとプロポーズしてよっ!そうよっ!プロポーズが先でしょうっ!」

そうだ、ちゃんとプロポーズしてもらっていない。

ここは肝心だ、絶対にみんなに聞かれる、と奈央は修一を膝枕から降ろし、向かい合わせに座らせる。

「ったく性がねぇなぁ……」

「た、大切なことじゃないっ!」

「山内課長と話しつけて奈央自身がすっきりしてから渡そうと思ってたんだけどな……」

「……?」

修一はベッドから立ちあがり、クローゼットの中から何か小さな箱を取り出した。

「どうぞ……お姫様」

「これって……?」


(うっわ……)


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