恋愛の条件
抱きしめる手に力を入れるが、まだ奈央は膨れているのか、身体に力が入っている。

「イヤなら突き飛ばせよ?」

修一の手は、ゆっくり奈央の身体のラインを撫ぞる。

ついさっき、点けられた官能の火はすぐに燻りだし、奈央の中心を熱くする。

「///っ///」

「奈~央♪」


(イヤじゃないよなぁ、こんなに身体は正直だ)


「んん、しゅう……」

甘い吐息とともに縋るように自分の名前を呼ばれる。


(こいつわかってないのか?その反応が俺を煽っているのを……)


修一は赤らめた顔を背けて身をよじらせる奈央の背中に優しくキスを落とした。

「奈央を大事にしようと改めて思ったのは本心だ。でも、何度抱いても足りない」

修一はそのまま奈央を抱え、ソファーへと移動し、奈央の全身をその指で、舌で愛撫し狂わせた。

「あっ、あっ、しゅう……もうっ」

「ダメだ……クチュ……まだだ」

「お、おねがぁ…ぃ……」

「クス、まだ挿れてやんない」

「だって……ハァ……ぁぁぁ……」

奈央が腰を浮かせて修一を求めようとしても、何度も焦らされ、甘くもどかしい愉悦の波にのみ込まれる。

修一の執拗な指淫と口淫に何度も絶頂に導かれ、奈央の下肢は蕩け最早力が入らない。

「ハァ…ハァ……」

朦朧としながらも、奈央の下腹部は熱い彼自身で貫かれたくて疼きはじめている。

涙目で懇願するように修一を見つめれば、彼は目を細めて笑う。

「さて、俺まだ風呂に入ってないし、ゆっくり二人で風呂でも入るか?」

「えぇ……?」

「奈央も身体冷えたろ?あっつ~い風呂でたっぷり優しく愛してやるよ♪」

修一はそう言うと、ぐったりとした奈央を抱きかかえてバスルームへと向かった。

そこでも奈央は、さんざん修一に焦らし愛され、執拗な愛の手ほどきから解放されたのは、空が白み始めた頃だった。

翌朝二人はすっかり寝すごし、片桐とのミーティングをすっぽかてしまい、彼に怒号の叱責をくらったのだった。


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