ボクらのオキテ
だが、その生活も小学校3年の時に終わった。


親の転勤で、
俺が遠い街へ引っ越すことになってしまったからだ。


あの時も、あいつは泣いてた。


“零くんがいなくなっちゃったら寂しいよ”と。


俺は、その時ばかりは何もできなかった。


俺一人だけ親元を離れて暮らすわけにもいかないし、
俺が転勤を取り消すこともできるわけがない。

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