小話帳

悲しい声で啼かないで














「**!!**!!!!」










名前を呼ぶと、彼女はふわっと笑って泣き始めた。











「うぇえ、ごめ、ごめんね、ごめんね…ッ!!!!」

「…落ち着け」

「わた、し、わたし!!!!」









泣かないで











「ごめ、ね!ほ、とに…ッわたし、うあああ」











泣きわめく彼女を抱き締めると、彼女はまた強く泣いた










「わたし、裏切り者なの、にッ!優しく、されちゃ、いけな、のにッ!!!」

「…れ」

「嬉しかった、の、優しく、わらっ、くれ、てッごめ、ごめ、ね!!!!」

「…てくれ」

「ありがとう、ありがとう、ありがとう…ッ!!!!!」

「やめてくれ…ッ」










やめてくれ、









謝らないで、そんな、そんな泣きながら













「ごめ、あの、ね、わた、わたし」

「…」

「貴方が、好き、でし、た」

「!!、**ッ」

「言う、しか、く、ない、け、ど
 だいす、きでし、た」











彼女のその声を聞きたくなくて、わたしの思いも伝えたくて、わたしは彼女に口付けた。











「!、ありが、と…う、」

「あ、あ、あああ、あ」










彼女は眠るように、一筋の涙を流して散った










―悲しい声で啼かないで―








(私は君の笑う声が好きだから)









――――――――――――



見た目がとてもきれいな彼。


言いたいことをあまり言えない彼女




それが最後に爆発したように思いを告げる。

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