2時頃

次の日

あたしの仕事は
コンビニ店員


まぁ〜いわゆる

フリーターだ


「いらっしゃいませ〜」


「あ…」


良く来る客

髪が腰まであって
綺麗な黒髪


地味な格好に

雪のように白い肌


来る度
来る度

買っていくのは


カミソリ…
はさみ…

ガムテープ


「そんなに買って
何に使うんだ……」


あたしはいつも
思っていた…


「564円です」

「はい…」

女とも男とも
いえないような
ガラついた声…


「36円とレシートの
お返しになりま〜す」


指は細長く
爪は真っ赤に塗っていた


「またの起こしを
お待ちしておりま〜す」


仕事が終わって
家に帰る…


時刻は
PM 10:00


鍵を鞄から取り出し
鍵穴に差し込む


カッ…

「ん?」

鍵がささらない


あたしは鍵穴を見た


ガムテープで
鍵穴が塞がれている


「えっ!何?…やだ」

「怖ぁ〜…」

あたしは
ガムテープを剥がし
中に入った


今からこの部屋が
逃げられぬ籠になるなんて事も知らず…


鍵をしめた

“ カチャ ”


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