バケバケ2

2.敷島





2.敷島





えらい目にあった…。







クラスメイトたちからようやく逃れ、とりあえず学校の外まで出てきた。


洋子は結局見つからなかった。


先に帰ってしまったんだろう。


さて、これからどうするか…






とにかく帰らなきゃいけない。


そのためには電車に乗らないといけない。


電車…


苦手だ。


人がいっぱいいるし、駅は迷路みたいだし…


でも、洋子のお母さんが定期券ってやつを買ってくれたから乗らないと…






「はぁ…」


ため息をつきながら駅まで歩き出す。


だから洋子と一緒に帰ろうと思ったのに…


朝は洋子のお母さんが車で送ってくれたから助かったけど。






諦めて一人で帰ろうとしたその時だった。


「よぉ!シイ!」


前から金髪の女を連れたボサボサ頭の青年が現れた。


…一番会いたくないヤツだ。


「……。」


「なんだよ、無視かよ!誰のおかげで高校生になれたと思ってんの?」




< 13 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop