バケバケ2

3.素顔





3.素顔






早目に家を出たはずなのに、待ち合わせ場所の正門前にはすでに早月くんがいた。


「ごめん、待たせちゃった?」


「ううん、今来たところだよ。行こうか?」







連休初日の土曜日というだけあって園内は人でかなり混み合っていた。


「坂本さん、見て!フラミンゴ!」


「ほんとだー。」


「フラミンゴって生まれたばかりのときは真っ白らしいよ。」


「へぇー。こんなに派手な色してるのにね。」


早月くん、楽しそうだ。


動物が好きなのかな、いつも学校で見かける早月くんと雰囲気が違う。


こっちが素なのかな。






「坂本さん、あれ!ライオンだよ、ライオン!こんなに近くに!!」


子供みたいにはしゃぐ早月くん。


その後、園内を半分くらい回ったところで、休憩のためフードコートに立ち寄った。





「ごめんね、俺だけはしゃいじゃって。」


早月くんはここの名物であるパンダパフェを食べながら申し訳なさそうに言った。


「そんなことないよ、私もすごく楽しい。」


「そうかな、よかった。」


早月くんは照れ臭そうに笑った。









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