バケバケ2
「待ってた。」
応接間のソファーには灰音が座っていた。
その隣にはエレジーが座っている。
「…灰音。」
「シイ、聞いてくれ。」
嫌な予感ほど的中するものだ。
「俺はここでエレジーと生きる。」
こうなったのは俺のせいだ。
全部、全部、俺のせいだ。
俺があの時エレジーを殺したから、力欲しさに、そして洋子を守りたいがためにエレジーを殺したから。
灰音を責めることなんて出来ない。
「シイ、この俺はこの世界を本物にする。だから、洋子のことは諦めてくれ。」
灰音が立ち上がると、エレジーも立ち上がり、灰音に寄り添う。
「大丈夫。ハイネは私が守るわ。」
灰音はエレジーの言葉に頷くと、俺と向き直った。
「シイ、力使ってみろよ。エレジーを殺して手に入れた力を。」
一瞬。
灰音が動くとほぼ同時に、俺の鳩尾に灰音の蹴りが決まっていた。
相変わらず人間とは思えない動きだ。
「シイ、俺はお前を殺したりしない。ただ、邪魔をしないでここから見ていて欲しいんだ。この世界が現実になる様子を。」
「そんなことさせない。」
再び灰音の蹴りが入る。
「俺は洋子のいない世界なんて望まない。」
「俺だって、エレジーのいない世界なんていらねぇよ!」