バケバケ2




私はそのままシイに病院に連れていかれた。


幸い傷は浅く、軽く手当してもらい病院をあとにした。


医者には転んで木の枝に引っ掛かったと言ってごまかした。


今、シイに家まで送って貰っている。


シイの隣には敷島くんもついて来てくれている。


「もう歩いても大丈夫なのか?」


「うん、平気。」


「そうか、よかった。」


シイはほっとしたように笑った。


久しぶりにシイの笑顔を見た気がした。






「ところで…」


シイは敷島くんの方に顔を向けた。


「お前、どうするんだ?」


「どうするって、なにがっスか?」


「これからだよ、また俺の家泊まるのか?」


「ん…考えてなかったっス。」


「赤月姫も見つかったんだし自分の家帰ったらどうだ。」


「うーん、家っスか。」


「家、どの辺なんだ?」


「家は…千葉県ス。」


「は?千葉県??」


「そうっス。」


「新幹線コースじゃねーか。どうすんだよ。」


敷島くんは頭を抱えた。


「敷島、お金持ってないっス。ここに来るまでで使い果たしちゃったっス。」


「…俺もお前の新幹線代出せるほど金持ちじゃないぞ。」


「困ったっスねー。」


「灰音…そうだ!灰音に金貸してもらえ。あいつ、金持ちだしお前の先輩なんだろ?」


「灰音先輩にっスか?」


敷島くんは少し考えたあと、大きく頷いた。


「そうするっス!!」


「よし、そうと決まればすぐ行け。今すぐ。」


「わかったっス!!」


敷島くんは灰音の店の方向に走り出した。










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