月下の幻 太陽の偽り (仮)
二度目の進軍
それから更に二日後、その日私達はまた式町の駅に降り立ち例の森に向かう事にした。

夜の闇に閉ざされたあの森は正直な話怖い。

なので正午を少し過ぎた時間に私は目的地に向かう。

その間私は式の商店街を通り、住宅街を抜けて森まで来た。

そこまで来て思った事は、出会う式町の住民が気持ち悪い程礼儀が正しいと言う事だろうか。

出会う人からは基本お辞儀をされる。

見知らぬ私達相手ですら忘れたりしない程だ。

「この前の時は夜だったから人はいなかったけど、昼の式ってなんか凄いね。流石治安率No.1」

「私はこう言う気持ち悪いくらいのはご免被りたいけどね。」

私の本音をそのまま瑞穂に返す。

正直、それはどうでもいい。

私は今のこの状況にとりあえず異を唱える。

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