光へ

決心

 次の日の帰りも
靴の中に刃物とゴミ。
それと落書き。

そのまた次の日も
ゴミと落書き

カバンにまで石やゴミ。それと落書き。

体育の最中、わざとボールをぶつけてきたり
教室で脚をかけてきたり。

日に日にイジメがひどくなってきていた。

言いたい事があるなら
直接言えば、いいのに。
逆にイジメに見られても仕方ない事をしている。




   〜昼休み〜
 豪輝に呼ばれ裏階段へ行った。



豪輝:『俺のせいで、ヒドイ事になってるだろ…』


理恵:『別に?てゆーか私さぁ杏達と一緒に居るのやめた!』

豪輝は私がイジメられている事を知り
自分のせいだと謝りたかったらしい。

でも豪輝のせいぢゃないと言い
私から離れたと話した。

実際、沙羅と大悟が付き合う前
大悟に孤立している沙羅を頼むと言われた時に
決心した事だったから。



豪輝:『おまえ“私“って言うようになったんだな』


理恵:『!?まぁ…ね』

メル彼、兼の影響だった。

少しずつ、また変わっていく自分がある。



 こんな少しの間の会話を蓮音に見られていた。

案の定、そのままトイレに呼ばれた。

会話はよく聞こえなかったらしく
2人でコソコソ話している事が
気にくわなかったんだろう。



蓮音:『ずいぶん仲良いみたいだね!
何話してたの?』


理恵:『私がイジメられているのが、俺のせいぢゃないかって謝りに来た。
でもイジメられてないし
私から関わりを切ったって話してたんだよ。』

本当の事を言ったが、気にくわない顔。

たまたま、杏と心菜もトイレに入ってきた。



杏:『蓮音…なにやってんの?
もう言う事なくね?』


心菜:『蓮音は今まで我慢してきたもんなぁ!
言う事は山ほどあるべ』

杏は何か私に気使った様子…

心菜は蓮音と似たような気持ちらしい。



蓮音:『あっ!紀利先輩に何言ったわけ?』


理恵:『何も言ってないけど?』

蓮音はまた勘違いしていた。

紀利さんと一緒に帰っていた、あの日
イジメを受けてるとでも、告げ口されたと思っているんだろう。
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