高野先生の腕のなか



「あの、先生、私…」


「話は高野先生から聞いてるわ」


読んでいた本にしおりを挿む三木先生。


「高野…先生が?」


「ええ。授業が始まる前に、あなたが気分が悪くて寝ているから、よろしくお願いしますって」


高野が、わざわざ。


先生として当たり前のことをしてくれただけなのに、何故か嬉しくなった。



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