天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅧ
普通の女子なら顔を顰めて嫌がるであろう、溝出のセクハラな要求に。

「うん、いいよ、で、ヒモビキニは?」

「ヒャ?あ、あの…これ…」

「んじゃ着替えてくるね、秋帆君、お着替え手伝ってぇ♪」

躊躇も迷いもなくヒモビキニ片手に立ち上がり、スタスタと歩いていく雛菊。

狼狽する色白男子など気にも留めず、少し離れた桜の木の陰に隠れて着替え始める。

「やんっ、もう、秋帆君たらどこ触ってるのぉ?」

「ささ、触ってなんかいませんよぉっ」

「そんなに触りたいなら、お花見終わって私の部屋で触らせてあげるのにぃ」

「何言ってるんですか雛菊ちゃんっっっ!」

「秋帆君もヒモビキニ好き?今年の夏はこういうの着たげるね」

「みんな聞いてますからっ!」

木陰からやたらと舞い散るハートマーク。

何かこれ、溝出じゃなくて色白男子が得してね?

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