はらり、ひとひら。
─おいで おいで。こっちへおいで。
「っ」
頭に響くおぞましい声。間違いない、これは人じゃない。
「声が…」
人を操り危険に晒す妖。どんな理由があろうとそれは許されないことだ。もし─運悪く操られた人に、この方面の知識のないみんなが出くわしたらどうなっていただろう。
頭の中に、血塗れで横たわるみんなのありもしない幻覚が浮かんでぞっとする。
自分でも気づかないうちに震え出した私の手を大きな手が包んでくれる。
「─大丈夫。今は何も考えなくていい」
「っ…うん」