はらり、ひとひら。


「天音」

「杏子。今まで黙っていて悪かった。東雲は、」


苦しげに眉を八の字に下げる天音を、手で制す。


「ごめんね?昨夜、実はずっと話聞いてたの」

「!」

驚き目を見開いた天音に、緩く微笑む。


「盗み聞きしちゃったお詫びとして、東雲は私が清めてみせる」


「しかし!あいつはもう」


「やってみなくちゃわからないよ」


試してみる価値はあるでしょう?


「天音がひとりで責任を感じる必要はないんだよ。東雲を助ける手伝いを、私にさせて」


彼女の瞳が、切なそうに細められた。


「すまない。本当に、何から何までありがとう」


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